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鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
Effects of Radiation on Materials: 20th International Symposium (ASTM STP 1405), p.79 - 96, 2001/07
原子炉圧力容器の健全性評価では、シャルピー衝撃試験から得られる遷移温度シフトが破壊靱性のシフトと等しいと仮定して、照射後の破壊靱性を評価している。そこで本研究では、予き裂シャルピー破壊靱性(PCCy)試験片を用いて求めた破壊磁性シフトとシャルピー遷移温度シフトとの比較を行った。4種類の国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼を用い、中性子照射試験はJMTRにおいて、最高1310(n/cm,E1MeV)まで実施した。また、照射後焼鈍による脆化の回復挙動についても、双方のシフトを比較した。焼鈍条件は、350及び450で100時間である。破壊靱性シフトは、最弱リンク理論に基づくマスターカーブ法を適用して求めた。ばらつきは大きいものの、破壊靱性遷移温度のシフトは、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトとほぼ等しいという結果を得た。
高橋 常夫*; 石原 正博; 馬場 信一; 荒井 長利; 林 君夫; 小西 隆志*
JAERI-Research 2001-005, 62 Pages, 2001/03
微粒等方性黒鉛(平均粒径20m)を基準試料とし粗粒含有率(平均粒径125m)の異なる黒鉛材料を用いて曲げ強度試験及び破壊靱性試験を行い、粗粒含有率が強度及び靱性に与える影響を検討した。また、微細組織に基づく強度分布予測手法の曲げ試験結果への適用性を検討した。曲げ強度は、粗粒含有率0%と比較して含有率40%では平均曲げ強度の増加と強度のばらつきの減少が認められた。画像解析からもとめた気孔径分布の統計結果との関係においては、粗粒含有率の増加に伴う平均気孔間距離の増加及び大径気孔部分における気孔径分散と強度分散との正の相関関係が認められた。破壊靱性値に関しては、応力ひずみ線図の非線形応答開始点と最大荷重点における破壊靱性値の検討を行った。き裂進展開始荷重に基づく破壊靱性値は、粗粒黒鉛を含有することにより増加するものの含有率(20%,40%)による違いは認められず、低い含有率で破壊靱性値が飽和する傾向を示した。一方、最大荷重に基づく破壊靱性値は、粗粒黒鉛の含有率が増すにつれて増加し、含有率による違いが認められた。さらに、単軸応力状態下で提案されている気孔径分布を考慮した確率論的強度分布予測モデルを曲げ強度試験結果に適用し、実験結果をおおむね一致する結果を得た。
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
日本機械学会平成12年度材料力学部門講演会講演論文集, p.431 - 432, 2000/10
原子炉圧力容器の高経年化に対応して健全性評価の精度向上に資するため、圧力容器鋼の照射脆化挙動評価に関して、小型試験片による破壊靱性評価法について検討した結果を報告する。試験には、国産の原子炉圧力容器用鋼材を用い、JMTRにおいて中性子照射試験も実施した。ASTMのマスターカーブ法とJEACの破壊靱性評価法を適用し、試験片寸法効果や破壊靱性下限値の評価を行った。本研究から、ASTMの寸法効果補正式が必ずしも十分でないこと、及びシャルピー型試験片により十分下限破壊靱性を評価できることが示された。さらに、中性子照射効果に関しては、ばらつきは大きいものの、破壊靱性遷移温度のシフトが、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトとほぼ等しいという結果を得た。
二川 正敏; 涌井 隆*; Steinbrech, R. W.*; 田辺 裕治*; 原 利昭*
日本機械学会論文集,A, 66(646), p.152 - 158, 2000/06
脆性被覆膜の健全性に大きく影響する残留応力及び破壊靱性値Kを精度良く評価できる新たな試験技術を提案した。すなわち、超小型曲げ荷重負荷試験機を組み込んだ微小押込み試験装置を用いて、曲げ荷重負荷状態下で任意の押込み荷重による圧痕から伝播するき裂に対してその場観察を行い、相当残留応力として作用する曲げ応力と微小き裂長さとの関係を求めた。これより、残留応力及びK値が精度よく評価できることを示し、K値については残留応力フリーで実測された値と、また残留応力については基材とコーティングとの熱膨張差を考慮した熱弾性解析結果とほぼ合致することから、本手法の妥当性を確認した。さらに、曲げ荷重無負荷時に得られるき裂長さによるK値の評価結果にはぼらつきが多く現れるが、任意の曲げ加重を負荷した結果を組み合わせることにより、得られたK値の信頼性を向上できることを示した。
二川 正敏; 涌井 隆*; 井岡 郁夫; 衛藤 基邦
Journal of the European Ceramic Society, 20(8), p.1135 - 1143, 2000/05
被引用回数:5 パーセンタイル:44.86(Materials Science, Ceramics)材料の耐食性は腐食環境と接する界面の特性に支配される。耐食材料として期待される炭化ケイ素系セラミック、高ケイ素鉄合金は脆性を示すため、腐食表層部の特性が腐食後強度に大きく影響する。そこで、腐食表層の力学特性を微小押込み試験に有限要素法接触解析を融合させた手法により評価し、腐食表面に対する押込み荷重曲線の挙動と腐食様相、腐食後強度との相関を明らかにした。腐食環境はISプロセス工程内の沸騰濃硫酸であり、各種セラミック(Si-SiC, SiC, SiN, AlO, ZrO)曲げ試験片を最大1000時間浸漬した。腐食後強化を示したSiC、Si-SiC試験片表層には防食皮膜(シリカ)の形成が確認された。また、腐食後劣化を示したSiN, AlO, ZrO表層には、多孔質状の腐食層が形成された。これらの腐食形態の差異は微小押し込み試験から得られる押込み荷重-深さ曲線に影響し、その傾向を解析的に再現すると共に表層部の材料定数を決定した。さらに、押込み荷重-深さ曲線から評価した腐食層厚さと腐食前の破壊靱性値を用いることによって、腐食後強度劣化を評価できることを示した。
鬼沢 邦雄; 飛田 徹; 鈴木 雅秀
Effects of Radiation on Materials (ASTM STP 1366), p.204 - 219, 2000/00
原子炉圧力容器鋼の延性-脆性遷移温度域における破壊靱性評価への照射効果について、予き裂シャルピー破壊靱性(PCCv)試験片を用いて検討した。試験には、4種類の国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼を用いた。PCCv試験片に対する中性子照射試験は、JMTRで行った。破壊靱性試験結果に現れた試験片寸法効果を補正するため、最弱リンク理論に基づく補正式を適用した。破壊靱性のばらつきに関しては、ワイブル統計処理に基づく評価を行った。中性子照射は、破壊靱性のばらつきにはほとんど影響しないという結果が得られた。また、ASTMで提案されているマスターカーブ法及び国内の手法を適用し、照射後破壊靱性遷移曲線を評価した。破壊靱性遷移温度のシフトは、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトよりもやや大きいという結果を得た。破壊靱性の下限値の評価法についても検討を行った。
辻 宏和; 倉田 有司; 三輪 幸夫; 板橋 行夫; 雨沢 博男*; 島川 聡司; 三村 英明; 北 智士; 鈴木 富男; 塚田 隆; et al.
Advances in Science and Technology, 24, p.483 - 490, 1999/00
高速増殖炉「もんじゅ」の構造材である304ステンレス鋼を対象として、中性子照射による弾き出し損傷量を約2dpa一定に保ちながら、核変換ヘリウム生成量を1,3及び16appmの3水準に変えることにより、中性子照射材の機械的性質に及ぼすヘリウム生成量の影響を分離抽出することを目的として、熱中性子炉JMTR用の特殊照射キャプセルを開発した。この特殊照射キャプセルを用いてJMTRにおいて400及び550Cで304ステンレス鋼の中性子照射を行い、照射材の引張、破壊靱性、クリープ、疲労の諸試験及びTEMによる組織観察を行うとともに照射前の基本特性試験を行う体系的な研究プログラムを進めてきた。本報告では、計画の全体概要について述べるとともに特殊照射キャプセルの特徴、これまでに得た照射前の基本特性試験結果及び照射後試験結果について述べる。
實川 資朗; 内藤 明; 瀬川 潤*
Journal of Nuclear Materials, 271-272, p.87 - 91, 1999/00
被引用回数:6 パーセンタイル:45.57(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉材料開発のための中性子照射には核分裂炉が用いられることが多いが、必要な損傷速度が極めて高いため使用できる炉や照射体積は限られる。このため試験片の微小化は重要な照射試験技術である。破壊特性に対する試験片寸法や形状の影響は比較的大きい。試験片形状の最適化と微小化のために、J値やJ-R曲線に対するこれらの影響を評価した。試験片には大きさと形状を変えた7075-T6アルミニウム合金の3点曲げ試験片を用いた。試験片の幅と厚さは1.25~20mmの範囲で、a/W値は0.125~0.6の範囲で変化させた。JやCODには試験片寸法や形状の効果は強く現れなかったが、J-R曲線やJ値の範囲はリガメント長さに強く依存した。これは測定できるJ値の範囲はリガメント長さに依存することを示す。
新見 素二; 松井 義典; 實川 資朗; 星屋 泰二; 塚田 隆; 近江 正男; 三村 英明; 大岡 紀一; 秀 耕一郎*
Journal of Nuclear Materials, 271-272, p.92 - 96, 1999/00
被引用回数:5 パーセンタイル:40.64(Materials Science, Multidisciplinary)析出硬化型630ステンレス鋼の引張試験片、破壊靱性試験片及びシャルピー衝撃試験片をJMTRにおいて冷却水温度である325Kにて照射した。速中性子の照射量は最高で1.210m(E1MeV)である。試験温度は引張及び破壊靱性試験を293Kで、シャルピー衝撃試験は273~450Kの範囲で行った。引張強さは速中性子照射量710m付近で1600MPaのピークを示し、それ以降は、1500MPa(1.210m-2)付近まで照射量とともに徐々に低下した。伸びは未照射材で12%程度、710mまでの照射で7%に低下した。破面観察結果は破壊が延性的であったことを示した。破壊靱性値は照射によって未照射材の約半分に低下した。破壊靱性試験片では、へき開破面が支配的であった。シャルピー衝撃試験によるDBTTは照射によって60K上昇した。
鬼沢 邦雄; 飛田 徹; 鈴木 雅秀
Proceedings of 15th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-15), 4, p.137 - 144, 1999/00
本報告の目的は、原子炉圧力容器の監視試験に適用可能な、小型試験片による破壊靱性評価法について検討することである。延性-脆性遷移温度域の破壊靱性評価に関して、予き裂シャルピー破壊靱性(PCCv)試験片の適用性を検討した。試験には、IAEAの共通鋼材を含む5種類の国産の圧力容器用ASTM A533B-1鋼を用いた。PCCv試験片は、監視試験片である標準のシャルピー衝撃試験片から作製できるために選択した。標準型の1T-CT及び4T-CT試験片を用いた破壊靱性試験も実施した。JMTRにおいてPCCv試験片に対する中性子照射を行い、照射前後の破壊靱性のばらつきがほとんど変化しないことを確認した。さらに、破壊靱性マスターカーブ法を適用して、照射による破壊靱性参照温度のシフトを求めたところ、シャルピー試験から求まる遷移温度シフトよりもやや大きいという結果が得られた。
後藤 正宏*; 宇野 三佐子*; 斉藤 正克*; 秦野 歳久
Fusion Technology 1998, 1, p.177 - 180, 1998/00
ブランケット設計において第一壁と遮蔽体はHIP(熱間静水圧)法を用いて接合されることになっている。本研究では、その結合部の破壊挙動評価を目的として弾塑性破壊靱性試験と疲労き裂伝播試験を行い、その結果を報告する。弾塑性破壊靱性試験で、HIP温度の違う3種類の接合材を用いて試験した。試験結果からHIP温度1050Cが最も高い靱性値を示した。これは日本が提案しているブランケットモジュール製作時のHIP温度の妥当性を示した。そのHIP接合材を用いて各種のき裂伝播試験を行い、設計に寄与するデータが得られた。
鬼沢 邦雄; 飛田 徹; 鈴木 雅秀
Proc. of 2nd Int. Workshop on the Integrity of Nuclear Components, p.273 - 289, 1998/00
原子炉圧力容器の監視試験に適用できる破壊靱性評価法についての研究を進めている。国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼について、予き裂付きシャルピー型破壊靱性(PCCv)試験片の適用性を検討した。破壊靱性値に及ぼす試験片寸法効果を補正するため、最弱リンク理論に基づく補正式をPCCvデータに適用した。破壊靱性のばらつきに関して、ワイヤブル統計処理に基づく評価を行った。ワイヤブル形状母数の比較から、照射により破壊靱性のばらつきがやや小さくなる傾向が示された。また、ASTMで提案されているマスターカーブ法及び日本電気協会規定の手法を適用し、照射後破壊靱性の評価法を検討した。保守的評価のためには、照射前のデータベースを拡充することが重要であることを示した。
鬼沢 邦雄; 飛田 徹; 鈴木 雅秀
JAERI-Research 97-081, 36 Pages, 1997/11
原子炉圧力容器用鋼材の延性脆性遷移温度域におけるへき開破壊開始時の破壊靱性値を精度良く求めるため、4種類の国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼を使用して、予き裂付シャルピー型破壊靱性(PPCv)試験片の適用性を検討した。PCCv試験片と標準型1T-CT試験片から得られる破壊靱性値の間に認められた試験片寸法効果を補正するため、最弱リンク理論に基づく補正式をPCCvデータに適用した。しかしながら、鋼材により寸法効果は十分に補正しきれない場合があることがわかった。また、ASTMで提案されているマスターカーブ法を適用し、PCCv試験片の試験結果から破壊靱性遷移曲線の照射によるシフトを求めると、シャルピー41Jレベルの遷移温度シフトより大きいことが示された。さらに、試験片の破面観察により、へき開破壊前の延性き裂成長及び破面上のへき開破壊の起点について特徴付けを行った。
柴田 勝之; 菊池 博之; 金田 義朗; 古平 恒夫; 市川 博喜
JAERI-Research 97-015, 59 Pages, 1997/03
研究炉の構造材として多用されているアルミ合金について、研究炉の老朽化対策や高性能研究炉開発に必要な材料強度に関するデータベースの整備を行うため、A5052-OおよびA6061-T6の照射試験を進めている。本報告は、非照射材について母材および溶接継手のシャルピー衝撃試験、引張り試験および破壊靱性試験を完了したので結果をとりまとめたものである。A5052アルミ合金母材については有効な破壊靱性値は得られなかったが、A5052材の溶接継手およびA6061材の母材および溶接継手について有効な値が得られた。A6061母材の破壊靱性はA5052およびA6061の溶接継手材に比べて極めて低く、構造材として使用する場合、母材の脆性破壊防止に注意が必要なことが分かった。なお、照射材についてはJRR-3でのキャプセル照射とホットラボでの照射後試験を進めている。
石山 新太郎; 衛藤 基邦
23nd Biennial Conference on Carbon (CARBON '97) Extended Abstracts and Program, Vol,2, p.232 - 233, 1997/00
従来、黒鉛材料の破壊靱性試験は、ASTMの金属材料技術手法を便宜的に流用して、評価を行っていたが、有効な破壊靱性値を求めるための系統的な実験や検討がなされぬまま今日に至っている。例えば、黒鉛材料では、引張り試験や曲げ試験で得られたそれぞれの強度は、一般的に一致しない。したがって、黒鉛の破壊靱性試験を引張り型や曲げ型で行った場合、当然ながら、それぞれの破壊靱性値を示すことが予想される。本論文では、HTTR炉心構造黒鉛材料の有効な破壊靱性値を得るため引張り荷重と曲げ荷重を同時に負荷できる装置を開発し、これを用いて、(1)引張りや曲げ荷重の負荷形式の影響,(2)靱性値の解析法,(3)試験片形状の影響に関して系統的な実験を行い、有効な黒鉛材料の破壊靱性を求めるための検討を行った。その結果、引張り型でかつパリス則(破壊荷重と亀裂長さとの直接的関係)に則った方法で得た破壊靱性値が、他の方法(例えば、曲げ荷重下でASTM規格で評価した値)より低い値を示した。また、形状効果等の検討結果からも、引張り負荷形式により、パリス則を用いた方法で得た値が黒鉛材料の有効破壊靱性値に最も近いものと考えられる。
栗原 良一
Nucl. Eng. Des., 172(3), p.317 - 325, 1997/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所で建設中の高温工学試験研究炉(HTTR)の原子炉圧力容器はHTTRプラントの中でも重要な機器であり、高温強度特性を有し、非原子力の産業界において多くの実績を有する21/4Cr-1Mo鋼製である。HTTR原子炉圧力容器に使われる実鋼材を製造する前に、実鋼材と同じ方法で先行試作材を製造し、母材及び溶接材の材料強度データを得るために多くの試験を実施した。圧力容器冷却パネルの管が破断し、0.5MPa圧力40C温度の冷却水が約400Cに熱せられた圧力容器の外壁に飛散した場合を想定し、加圧熱衝撃(PTS)事象による容器壁に生じる応力分布が有限要素法コードを用いて計算できた。本論文は先行試作材の材料試験から得られた試験結果の一部を報告するとともにPTS事象下のHTTR圧力容器の健全性を明らかにするために、軽水炉圧力容器に対して開発された方法により求めた評価結果を報告する。
栗原 良一; 植田 脩三; 多田 栄介
Fusion Technology, 30(3), p.1465 - 1469, 1996/12
核融合実験炉の真空容器は、トリチウム等の放射性物質を内蔵するため、安全上重要な機器の一つである。真空容器はトロイダル一周抵抗を高くするため、ステンレス鋼製の二重壁構造としている。二重壁内部には冷却材として水が循環しており、寿命期間中には応力腐食割れ等によって亀裂の発生が考えられる。また、冷却材侵入事象が起きると、発生した水蒸気による内圧荷重およびプラズマディスラプションによるVDE荷重が膜応力として真空容器に作用する。亀裂を有する二重壁をモデル化し、有限要素法解析コードADUNAを用いて破壊力学的検討を行った結果、3dpaまで照射され脆化した真空容器内壁に板厚の1/4深さの亀裂を想定しても、未照射材の降伏強さ程度の膜応力が作用した場合、亀裂先端のJ積分値は材料の破壊靱性値Jに比べて十分小さいことが判った。
鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
IWG-LMNPP-95/5 (Vol. I), 0, p.279 - 293, 1995/00
原子炉圧力容器鋼材の延性脆化遷移温度における破壊靱性評価法について、統計手法及び破面観察による検討を行った。主にシャルピー型の破壊靱性試験片を使用し、IAEA共通鋼材JRQの評価を行った。ワイブル型の統計解析により、シャルピー型試験片で下限破壊靱性を評価できることがわかった。ただし、この場合10本程度の試験片が必要となる。破面観察からは、延性き裂が発生している場合に、延性き裂発生点の推定が可能であり、それにより保守的な評価が可能である。統計手法により求めた破壊靱性遷移曲線の中性子照射によるシフト量は、シャルピー遷移曲線のシフトよりも、やや大きいことが示された。
鈴木 雅秀
日本学術振興会原子炉材料第122委員会資料集, 0, p.1 - 8, 1995/00
近年軽水炉プラントの運転期間を当初の予定より延長するという、いわゆる長寿命化への要求と期待が高まっている。圧力容器は軽水炉プラントの耐用年数を評価する上で最も重要な構造機器の一つである。圧力容器の経年的な変化を考える上で重要な照射脆化の問題に絞り、その研究の現状と展望について解析を行った。以下に項目を示す。i)照射脆化の原因となるミクロ因子 ii)現行の脆化の予測法 iii)予測法の高度化への課題
鈴木 雅秀; 衛藤 基邦; 西山 裕孝; 深谷 清; 斉藤 雅弘*; 三沢 俊平*
Journal of Nuclear Materials, 191-194, p.1023 - 1027, 1992/00
被引用回数:11 パーセンタイル:70.41(Materials Science, Multidisciplinary)スモールパンチ(SP)試験を照射材の機械的性質評価に応用し、照射脆化評価を行った。透過電子顕微鏡観察用試験片(3mm0.25mm)を用い、8Cr-2WV,8Cr-2WVTa及び12Cr-1MoVWの3種類のフェライト鋼の延性脆性遷移温度(DBTT)、弾塑性破壊靱性値(J)の評価を行った結果、スモールパンチ試験による推定法の有効性の確認、並びに8Cr-2WVTa鋼の優れた照射特性を明らかにすることができた。